2010年3月議会第33号議案(リニモ支援)反対討論

2011年7月29日 21時34分 | カテゴリー: 討論

反対の立場で発言します。反対の理由は以下の7点です。
�そもそもこの交通事業は県が債務保証するはずのものです。負担義務のない日進市が、出資する必要性について議論されないまま、議案が出されました。しかも出資の時には出資額の半分を担った民間会社が「財政がきびしいから違う形で」という理由で支援せず、すでに当初の出資割合が崩れています。地方自治体は今、どこも苦しい。県にいわれるがまま、民間が出さないから、近隣自治体でよろしく、というのはあまりにも筋違いであると考えます。
�このような無理を提案してきた県から、ちょくせつ説明をされていません。担当者は会議で説明を受けた、了解したといっても、市民の代表である議会へは現時点で県より説明がありません。長久手町に比べ、額が少ないから必要ないということでしょうか。ひとつの自治体として返ってくるはずのお金が返ってこなくなる。厳しい財源の中から今後も出資を続ける、という方針を決めようというのですから、県としては説明責任があり、誠意が問われます。
�この出資がムダにならない根拠として、シンクタンクから出された利用者数等の資料がありました。しかし20年後に2万5000人が利用するという積算根拠は納得できるものではありません。沿線開発により5,700人、通勤2,000人、交流人口を1,700人の増加とのことですが、提示された積算は2万5000人利用するという結論から導きだされた、開発前提の数値であり担保がありません。この数字から日進市民の利用がどれくらい増えるのか、まったくイメージできません。当初3万の利用があると見込んでいた予想が大きく下回った現実があるのに、また同じことをしようとしています。シンクタンクの出した数値をうのみにするのではなく、市が独自で調査し積算し、判断しなければ、本市の出資の根拠となりえません。
�リニモを存続させるためには沿線開発するしかないということで「リニモ沿線地域まちづくり構想」があります。しかし読んでみても、とても実効性のある計画とは認められません。これをもし実現するとすれば莫大なお金がかかります。公共事業への国からの補助の見通しが立たず、福祉・医療・教育に年々財政負担が増している現状がある中で、そうした大きな公共事業に投資していくということが果たして可能なのか、大きな疑問です。
�現実の市民の行動パターンからも、明らかに沿線構想の矛盾が見えてきます。駐車場が整備されているモリコロパークへは日進市民は、まず車で行きます。一番利用が多いとみられる子育て世代は多くの荷物を持って、わざわざ古戦場駅からリニモに乗りません。また、古戦場駅周辺にイオンが出店したとしても、同様な現象が起きると予測されます。現に、日進市民がアピタへ行く時はまず自家用車利用です。昔とは消費文化が変化しており
家族連れは郊外のモール系ショッピングセンターでほとんど用をすませ、電車でわざわざ名古屋や豊田の百貨店まで出かけることは少なくなっています。古戦場駅周辺の大型商業施設を日進市のリニモへの出資根拠とすること自体おかしなことです。
�出資についての本市の大きな根拠として、「北のエントランス構想」があります。リニモと「北のエントランス構想」はにわとりと卵の関係があり、どちらかがうまくいかなければ成り立たない関係になっています。「北のエントランス」ありきのリニモ支援、リニモありきの「北のエントランス」ということです。
 では日進市のまちづくりの方針との整合性から考えてみます。
現在案として公表されている都市マスタープランの「将来人口フレームの基本的な考え方」の中には、「平成32年の約10万人については、本市内の土地区画整理事業の施行や市街地内にみられる低未利用地の活用など、現在の市街化区域内での施策により対応が可能であり、原則、住宅系の新たな開発に伴う市街化区域編入は行わない」とあります。一方、「土地利用ゾーンの配置」の段に「北のエントランス拠点」の記述があり、「愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)長久手古戦場駅周辺の市街地整備に伴い、施設立地の優位性の高まりが予想される北新地区等においては、現況の自然地形や植生等を継承しつつ、日常的な生活利便施設をはじめ、多様な都市機能が立地する拠点地区の形成を図る」となっていますが、言葉の意味も含めて内容がさっぱりわかりません。
土地利用としては「検討地区」となっています。
調整地区のあらたな市街化はしないという原則がある中、リニモのためにこの地区を開発する。開発には莫大な投資が必要です。本市の汚水処理計画はどこまでも公共下水道整備をするとなっており、そうしたハード整備にいくらかかるのか、この地域に人口をどこまで呼び込むのか、呼び込めるのか、福祉、教育、医療といった義務的経費の増大予測は?など未知数のことばかりです。財政が厳しい中、保育園、学校の整備、障害者への支援、高齢者の在宅支援など、本市が緊急に対応すべき課題が山積している中、ここの開発・整備は財源的にも現実性が乏しいといわざるをえません。リニモの存続のために位置づけられた計画です。そのほかに市民としてリニモを積極的に利用できる要素が、現時点ではみあたりません。仮に別の支援の形としてリニモの「高齢者パス」などを出したとしても、はたして市内から何人の人がリニモを利用して名古屋や豊田方面に出かけるのでしょうか。豊田にいくなら中心部にちょくせつ入る豊田新線を使い、名古屋方面には名鉄バスで星ヶ丘へというのが、今の市民の交通利用の定型パターンだと考えます。本市が追加支援しなければならない、重大な理由は見当たりません。
�これまで県が20年度にDESをやりましたが、5万円単価で株式数がふえています。しかしこの会社の実際の評価は額面1株5万円という価値はなく、実質的には低い評価です。平成21年3月の資料では、1株あたりの純資産額は約8750円です。そういうものに株式投資するということは、「すて金」になる可能性があるということです。「北のエントランス構想」も含めて市民がどう考えるかを問う必要があります。まだ総合計画を公表していない段階での政策決定ですから慎重にすべきです。まちづくりの中のリニモの位置づけが、長久手町とは違います。まちづくりの目線をどこにおくのか、また市にとってリニモの利用価値、投資への費用対効果を十分に考えなければなりません。その検討が現状では不足していると判断します。
 以上の理由から、愛知高速交通株式会社への財産出資は、本市にとって必要不可欠なものとは認められず、本案に反対します。