9月議会「竹の山学校用地買い入れ」議案反対討論

2011年7月29日 21時31分 | カテゴリー: 討論

第95号「竹の山地区学校用地買い入れ」議案反対討論

反対の立場で発言します。
わたしはこの春まで、小学校と中学校が隣接する形ならば、この用地に「小中併設校」が建設されることはやむなし、という見解を持っていました。市がコンサルへ委託して作成した、「分離新設校検討資料報告書」に示された、各学校の将来児童・生徒数数値を信じ、この地区には小学校も中学校も必要であり、また新設校建設により西中学校の過大化も緩和されるだろうと考えていたからです。

 ところが「基本構想」が発表され、施設一部共有の具体案が示されて、事態の重さ、問題の大きさを認識し、調査や市民への聞き取りをしてきました。
その結果、学校建設用地として、4haの用地を20億で買い入れる議案を審議するにあたって、現時点で解決されていない多くの問題点をあげることができます。
(1) この地に学校が建設されるということに、地元の市民のみなさんが納得していないことがわかりました。生き物の宝庫である緑地そのものがなくなるという環境的な負荷も大きいですが、緑が保全されるのを信じて住み続けてきた地域住民の気持ちに対して、市は十分に説明責任を果たしていません。どうしてもここしか土地がないという事情があるならば、反対されることを覚悟してでも地元をおとずれ、しっかりした説明をすべきです。その上である程度の合意形成があってから、用地の上程をすべきです。
(2) 市はこれまでずっと学校建設について「小中併設を視野に入れて」ということを言い続けてきました。もしこの用地に、小学校と中学校を隣接という形で建設すると、当地の高さ制限もあり、4haという敷地面積では文部科学省が基準とする、小学校2ha、中学校2、5haという適正規模が満たされません。つまりこの用地を小中併設の学校建設地として認めると、「施設の一部共有」が前提となります。しかし、市が計画している小中併せて1000人を超す規模の施設共有校は、全国で数例であり、その数例は基本的に「小中一貫教育」の研究の流れの中で建設されています。国立教育政策研究所、文教施設研究センターが平成21年2月にまとめた「小中一貫校における学校施設の在り方に関する総合的研究」の中には、「小中一貫の実践に裏付けられた施設でないと効率的な施設利用にならない」という研究結果がはっきりと示されています。しかし本市の場合、本議会においても、教育長は「小中一貫教育はしない」と明言されました。用地が4haしかないから施設は一部供用するしかない、これまで何の研究もないけれど、作ってしまってから連携のメリットを模索するという姿勢です。これでは逆に非常に大きなリスクを負うことになります。施設共有の問題点が噴出したとしたら、どうするのでしょうか。この点について施設一部共有を前提として作成された「基本構想」について、教育長は、本会議で「教育長の専決事項だ」と答弁されたり、総務文教常任委員会で突然「あれは参考資料です」と表明されたり、教育部長が「これまで合築をするといったことはない」と答えられたりと迷走しており、これまで教育行政がいきあたりばったりで進められてきたことを露呈しています。小中一貫教育の研究なく建設された施設一部共有の小中併設校は全国にないのに、一度も教育委員会で「小中施設共有しても大丈夫なのか」という議論がされないまま、用地が上程されたことは、大変な問題です。
(3) さらに、市が4haの用地規模が適正であるという根拠としている「分離新設校検討資料報告書」の各学校児童・生徒数の将来予測、動向が現状と大きく乖離していることがわかりました。わたしの一般質問の中で部長は「ちょっとした誤差」といわれましたが、とんでもありません。現在の子どもの実数から見ても、大きな誤差です。予定の学区割がされれば、開校時から報告書にあったピーク時のクラス数となり、いきなり小中併せて36クラス、1200人規模の巨大校となります。その後もどんどん過大化する数値となっています。報告書の中の4haの積算根拠を見ると、プールは明らかにひとつ、武道場はみこまれていない。体育館の平米数が小さいなど、どうやって学校運営をするつもりなのか理解に苦しみます。この点についてはこれまで聞き取りをした学校関係者のどの方も、非常に問題だという意見でした。
もとはといえば、この小中併設校は「香久山小と北小の過大化解消」と「日中・西中の過大化解消」が大きな命題でした。しかしすでに香久山小学校の減少が始まっている今、巨額を投じて小中併設校をこの用地に建設しても、西中学校の過大化は解消されず、結局小さな学区においての小中併設校になる恐れがあります。市民から、今緊急に必要なのは、竹の山地区に800人規模の小学校と、それとは別に日中・西中の過大化を緩和する600人規模の中学校ではないかという提案がある中、委員会でも市は頑なに「小中併設はします」とお答えになっています。推計値の見直しの結果、結局西地区の中学校がもう一校必要になるということになれば、小中併設校を前提とするこの用地購入は財政的に大きな負担になると考えます。その肝心の将来児童推計値の見直し結果はまだ示されていません。どの地区のどの子どもたちがここに通うのかわからないまま、そして小中併設校を建設する費用対効果が検証されないまま、緊急性を要している西地区の中学校問題が解決されるのかわからないまま、この4haの用地が本当に必要か、判断することは非常に困難です。
(4)  最後は子どもへの影響の問題です。仮にこの用地に校舎が立った場合、子どもたちは身近にガスタンクを眺めながら生活することになります。災害時には避難所になるわけで、いくら安全だといわれても心理的な負担ははかりしれません。また最近になって名古屋市の市営志段味プールが、亜炭抗あとの空洞により地盤沈下するというニュースが報道されました。造成地でない当地の安全性はどうなのか、仮契約書もない現在、責任の所在について、明確にされていません。

以上のように、現時点で当議案の用地を学校建設地として買い入れを認めるには解決すべき問題がありすぎます。学校建設は緊急を要していますし、用地の確保は重要ですが、児童生徒数将来予測の見直し数値や、安全性の確認がされるまで、慎重を期すというのが筋です。しかし継続が否決された今、環境、財政、教育面で子どもにツケを残す怒れのある用地買い入れ議案に現時点で賛成はできません。よって本案に反対します。